鳥見町の名前の由来

この地は、金鵄発祥の地という鵄邑(とびむら)であり、それから鳥見郷・鳥見庄となり、その中に自然部落は発展して近世郷村となり、明治22年にはそれらが合併して自治体富雄村の成立となった。その後社会経済の発達は、昭和28年に富雄町を成立せしめたのであった。
建国の伝承に語られた鵄邑は、国の歩あゆみと行を共にしつつ、富雄町へとあゆんだわけである。その富雄町の歩みがここに記述される。

金鵄発祥の地

日本書紀の神武紀戊午年(即位前四年)十二月丙申(四日)条には、神武天皇と長髄彦(ながすねひこ)との合戦に、金鵄発祥のことを説いている。
長髄邑なる村名が、この端祥によって鵄邑といわれるよいうになり、日本書紀の出来た奈良時代では鵄邑がトミと呼ばれ、鳥見と書くようになったというのである。
この神話ともいうべき伝承に説かれる鵄邑、すなわち鳥見の地が富雄町といわれる。

神武天皇

瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天孫降臨した地である日向をおさめる一族の出。四男だったが、リーダーの資格十分なところから15歳で皇太子となる。
45歳の時に「日向は国土の端すぎて天下の統治すのには不向きだからｊ、個々よりもさらに豊かな当方に天下を治めるにふさわしい美しい土地があるだろう。」と宣言して東征を開始した。東征開始から15年の月日が過ぎていた。そして明石海峡を越えて目的の地である奈良盆地まですぐそこというところで長髄彦(那賀須泥毘古)と戦いとなり、長髄彦との決戦に勝利して橿原の地を都と定めた。

勝利の要因

金色の鳶が飛んできて、神武天皇の弓弭(ゆはず)に止まり、長髄彦の軍は目が眩(くら)み、戦うことができなくなった。